SPLIT TIMERには「1分」「5分」「10分」「30分」「1時間」「3時間」という6つのプリセットボタンが並んでいます。たったこれだけの並びを決めるのに、我ながら意外と頭を抱えました。
タイマーアプリにおいて「あらかじめ用意された時間ボタン」は、あれば便利な定番機能です。ですが、いざ自分で設計してみると「どの時間を何個置くのが正解なのか」という問いに、明確な答えがどこにも載っていなかったのです。
多すぎても迷う、少なすぎても手入力になるジレンマ
プリセットを増やしすぎると、画面がボタンで埋め尽くされて「どれを押せばいいか探す時間」が発生してしまいます。選択肢が増えるほど選ぶのに時間がかかる、いわゆる『ヒックスの法則』そのものです。逆に少なすぎると、結局毎回数字を手入力する羽目になり、プリセットの存在意義が消えてしまいます。
最初は欲張って「1分・3分・5分・10分・15分・20分・30分・45分・1時間・2時間・3時間」と11個並べる案も作ってみたんですが、画面を開いた瞬間に「うわ、選ぶのがめんどくさい!」となり、即却下しました。
特にスマホの小さな画面だと、ボタンが小さくなりすぎて誤タップが多発します。パスタを茹でながら慌てて押すときに、隣のボタンを押し間違えたら本末転倒です。そこで「画面を一目見て、親指で迷わず押せる最大数」として6つに絞り込むことにしました。
等間隔ではなく「対数的な刻み」にした理由
6個に絞るとなると、時間の刻み方が極めて重要になります。1分刻み(1分・2分・3分…)で並べても長時間の作業に使えませんし、10分刻みだとカップ麺やちょっとした湯通しに対応できません。
そこで、「人間が日常で感じる時間のスケール感」に合わせて、時間が長くなるほど間隔を広げていく対数的な刻み方を採用しました。
| プリセット | 時間の間隔 | 想定している主なシーン |
|---|---|---|
| 1分・5分 | 4分差(細かい) | カップ麺、紅茶の抽出、ちょっとした作業の区切り、ストレッチ |
| 10分・30分 | 20分差(中くらい) | 料理の煮込み・蒸らし、ポモドーロ休憩、仮眠、洗濯 |
| 1時間・3時間 | 2時間差(大きい) | 集中作業ブロック、長時間の煮込み、勉強時間、PC作業の区切り |
短い時間(1分〜5分)は「数分のズレ」が失敗につながるため細かく選びたいのに対し、長い時間(1時間〜3時間)は「大まかな時間枠」として捉えることが多いため、ざっくりした間隔で十分事足ります。この人間の感覚的なグラデーションをそのままボタンの配置に落とし込みました。
複数タイマーだからこそ、ワンタップの軽さが生きる
タイマーが1個だけなら、毎回テンキーで数字を入力してもそこまで苦になりません。しかし、SPLIT TIMERは複数のタイマーを同時に立ち上げて並列で動かすツールです。
たとえば料理中に「パスタ(7分)」「ソース(15分)」「オーブン(30分)」と3つ同時にセットしたい時、毎回3回も数字キーボードを開いて入力するのは結構なストレスです。プリセットがあれば、「5分」を押して「+」で7分に微調整、「10分」「30分」をポンポンとタップするだけで、わずか数秒で準備が完了します。
- プリセットで大枠の時間を即座にセット(0から数字を打つ手間を省略)
- 微調整が必要な場合だけ手入力や増減ボタンを活用
- タップしたら即セット、確認してから「開始」を押す誤操作防止設計
「たかがプリセットボタンの並び順」と思われるかもしれませんが、日々のちょっとした作業をスムーズにするための試行錯誤がぎっしり詰まっています。
作った本人しか気づかないような細部ですが、使ってくださる方の手が止まらず、サクサクと時間が計れる道具になっていれば幸いです。
